ブラームス ピアノ作品集 WAKA-4173~74

イリーナ・メジューエワ(piano)

絶望と諦観の静謐な交錯 ―― ブラームス晩年の豊穣な音楽世界を濃やかに描く

レコード芸術2014年1月号 特選盤
ブラームス ピアノ作品集 イリーナ・メジューエワ

「(メジューエワの)眼差しは、このブラームスの音符の意図をすべて理解するだけではなく、譜面の紙背を徹して、ブラームスが構築した宇宙を隈なく鳥瞰してつかみとり、その空間を妙なる美音で満たす。(中略)・・・ブラームスが生涯の最後に到達して得た、この豊穣な音楽世界の全てを、あなたはこのアルバムで聴き取ることができるであろう。」 (岡田央太/ライナーノートより)

ブラームス
幻想曲集 作品116
3つの間奏曲 作品117
6つの小品 作品118
4つの小品 作品119
“一輪の薔薇が咲いて” (11のコラール前奏曲 作品122 より 第8曲)(ブゾーニ編曲)
録音:2013年7月 & 9月
新川文化ホール(富山県魚津市)


WAKA-4173~74
JAN:4580359960713
STEREO/DSD録音
2013年11月15日発売


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イリーナ・メジューエワがいよいよブラームス後期作品に挑戦! メジューエワによるブラームスには、まとまった作品としては「4つのバラードop.10」(2007年録音)があった程度で、今回はop.118-2を除く全曲が初録音となります。
枯淡の境地を反映したといわれるブラームスの「晩年スタイル」ですが、メジューエワは、「孤独」や「絶望」、「諦念」の裏側で静かに燃えている作曲家の心の裡に迫ることにより、それが、いかに豊穣な世界であったかということを再認識させてくれます。ロマン主義芸術の放った最後の光芒、そしてその先に広がる果てしない闇を、これほどまで見事に描いた演奏はほかにあまり例を見ません。ネイガウスやユーディナ、そしてリヒテル、ギレリス、ヴェデルニコフ、アファナシエフといった巨匠たちの偉大な伝統を継承しつつ独自のブラームス像を確立している点において、この演奏はロシア・ピアニズムのブラームス演奏史に新たな一章を付け加える、記念碑的なものといっても過言ではないでしょう。ppからff まで透明感に溢れる変幻自在のタッチ、色彩感豊かな音色。とどまることのないファンタジーの広がりと堅固な造形、巨大なスケール感。ポリフォニーの卓抜な処理。すべてが斬新であると同時にどこか懐かしい、新しいブラームスをお聞きください。