ブラームス 後期ピアノ作品集 WAKA-4177

ヴァレリー・アファナシエフ(piano)

此の道を保つ者は、盈つるを欲せず。夫れ唯だ盈たず、故に能く蔽れば新たに成る

レコード芸術2014年8月号 特選盤
ブラームス 後期ピアノ作品集

「しかし、ここに聴く晩年の小品集において、かれは敢えて世界に抗うこともなく、世界を共鳴させることによって、自分を生かす途を見出したのではないか。救いがたい悲哀と憂愁、…(中略)… これは、ブラームスが音の世界を構築しているというより、世界がブラームスという媒体を通して鳴り響いているというていのものだ。アファナシエフの芸術上の営為は、残酷なほどにこのブラームス晩年の表現の特質を浮かび上がらせている」(平野篤司/ライナーノートより)

ブラームス (1833-1897)
幻想曲集 作品116
3つの間奏曲 作品117
6つの小品 作品118

2013年6月15日、東京、紀尾井ホール(ライヴ録音)


WAKA-4177
JAN:4580359960744
STEREO/24-Bit Digital録音
2014年5月31日


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鬼才ヴァレリー・アファナシエフ2013年来日公演時のライヴ録音、待望のブラームス作品集の登場です。アファナシエフのブラームスといえば、なんといっても1992年度レコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝いた名盤「後期作品集(作品117,118,119)」、そしてその続編(作品116ほか)(ともにDENON)が知られていますが、20年という歳月を経てアファナシエフの解釈がどのように変化したのか、ひじょうに興味深いところ。じっさい、その印象は大きく異なります。トレードマークだった遅いテンポや意表をつくような表現は影をひそめ、音楽はより自然へと近づきました。60代も半ばを越した巨匠は、ときに無愛想に、なんら特別な演出をほどこすことなく、作品自体にすべてを語らせます。特筆すべきはピアノの音の美しさ。それ自体が発光しているかのような、精妙な陰影とニュアンスに満ちた音(サウンド)。もはや形而上学までも超えてしまったような、前人未踏の世界。融通無碍の境地に名人が遊んでいるともいうべき一期一会の演奏が、ここには刻まれています。