シューマン&ラフマニノフ WAKA-4128

ミハイル・リツキー(piano)

玲瓏たる輝き ―― 渾然一体の調和を創出する奇跡のピアノ

シューマン&ラフマニノフ WAKA-4128 ミハイル・リツキー

シューマン:
・花の曲 op.19
・ピアノ・ソナタ第3番 へ短調 op.14
ラフマニノフ:
・練習曲 「音の絵」変ホ長調 op.33-7
・練習曲 「音の絵」ハ長調 op.33-2
・練習曲 「音の絵」ヘ短調 op.33-1
・前奏曲 ロ長調 op.32-11
・前奏曲 ト長調 op.32-5
・練習曲 「音の絵」ニ短調 op.39-8
・練習曲 「音の絵」ニ長調 op.39-9
録音: 2007年10月11~12日
新川文化ホール(富山県魚津市)


WAKA-4128
STEREO/24-Bit Digital録音
発売元:若林工房


国外の方は、送料は別途負担となります。
お問い合わせください。

ロシアの若き巨匠ミハイル・リツキーの2007年録音作品は、シューマンとラフマニノフという興味深いカップリング。ドイツとロシア、それぞれのロマン派音楽の濃厚なエッセンスを凝縮したアルバムに仕上がりました。

シューマンのソナタ第3番は、別名「管弦楽のない協奏曲」と呼ばれるように、巨大な構成と華麗なる技巧性を有した難曲。リツキーは独特の超絶技巧を駆使して淡々と弾き進んで行きます。透徹で玲瓏たる美音。あくまで自然な息遣いに包まれたフレージング。凛とした気品。精緻このうえないペダリングは移ろい行く色彩を見事に表出し、激情、目眩めく官能、揺れる情念が渾然一体と調和する絶妙のシューマンを織り上げています。

そして圧巻はラフマニノフ。ロシアの民族的感傷や滴り落ちるようなロマンティシズムを感興豊かに歌い上げた見事な演奏です。強靭な打鍵、明晰な輪郭、決して混濁しない和声推移、吟味された音色、そして甘美な叙情と熱い共感、それらすべてが破格のスケールをもって悠揚胸に迫ってくる、まさにラフマニノフが意図した真の響きが再現されたといえるでしょう。